ニュース・ブログ
2023.09.13
- ニュース
KKTのニュースと熊日新聞に私の「台湾企画」が取り上げられました
台湾で神様になった日本人
熊本市中央区の高田鳴海さん(80)は3年前、戦死した父親が台湾で神様になっていることを
知らされました。
このほど台湾側から招待を受け、台湾に行くことを決意。
今年8月、体調が十分でない鳴海さんの「最後になるかもしれない旅」に私が同行取材したのです。
【あらまし】
鳴海さんの父・又男さんは太平洋戦争末期、旧日本海軍の哨戒艇の艦長を務め、台湾南方沖で戦死しました。
終戦後、しばらくしてのことです。地元漁民が仕掛けた網に頭蓋骨がかかり、持ち帰って供養すると大漁続き。
漁民の「守り神」として信仰の対象になりました。そして言い伝えや戦時日誌の調査などから、
守り神は又男さんと認定されたそうです。
その場所が、台湾南部の高雄市にある鳳山紅毛港(ほうざんこうもうこう)保安堂という霊廟です。
私は2年前、この話を知って取材。KKTのニュースで放送しました。
その後、保安堂責任者の張吉雄さんが、「ぜひ神様の息子である鳴海さんを高雄市にお招きしたい」。
鳴海さんもまた、「台湾に行って感謝の思いを伝えたい」という願いが今回叶ったのです。
【歓迎式典】
歓迎式典で鳴海さんは、父親の遺影を前に胸がいっぱいになり、涙を流して絶句。
鳴海さんは「こんなに歓迎してくれるとは思ってもいませんでした。感無量です」と
涙ながらに感謝の言葉を述べました。
その後、港へ移動し船に乗り込んで沖合へ。
艦長の又男さんと共に戦死した哨戒艇の乗組員145人を慰霊する神事も行われました。
70年以上にわたって日本の軍人を慰霊し信仰してきた保安堂の皆さん。
その理由を聞くと、「私たち漁民の生活を守ってくれた」「家庭円満は海府のおかげ」などなど。
地域の守り神として住民に寄り添い続けてくれたことへの感謝の気持ちが伝わってきました。
そんな守り神の息子である鳴海さんも、家族のような存在だそうです。
今回は、鳴海さんが気疲れしないよう幹部だけの歓迎式典でしたが、地域住民に参加を呼び掛ければ、
2000人がすぐに集まるという話でした。
熊本と台湾は今、半導体関連の話題を中心に語られることが多いのですが、
私は今回の旅を通して日台関係を多角的な視点から深く考えるきっかけをもらいました。
今後も日台の交流が深まっていけるよう、公私ともに力を尽くしていきたいと考えています。
★KKT公式YouTubeチャンネルはこちら⇓
(6) 【日本軍人】台湾で神になった日本人 父に会うために台湾へ – YouTube